人の意識を担っている脳が作り出す、時間的「今」の再構成という科学的検証から出発し、認識の光景を組織化する、「意識/無意識/記憶の3つのプロセスのネットワーク」=「脳の主観的な時間のダイナミクスによる映像表現」をインスタレーションとして展開する。
4機種、計15台のカメラにより、観客の動きを多視点から撮影。その映像データは、独自に開発した複雑系のアイデアを応用したコンピュータプログラムにより、様々に展開・変形される。その映像は、空間内にある、「意識」「無意識」「記憶」に対応する、同期した3面のスクリーンに、リアルタイムで表示される。また、映像データは、サウンドにも変換されており、3.2チャンネルの音響システムによって出力される。
「主観的時間の自己組織化」という視点から発想された心の時間発展の理論を背景にしており、その構想はアメリカの脳生理学者ベンジャミン・リベット(Benjamin Libet)の研究に基づくものである。