撮影に際しては、ベースとなっているダンス作品『質量, slide ,& .』(2004年初演、構成/演出/振付/出演:白井剛)では伝えきることのできなかった身体の微細な動きや、舞台上に配置された物の重さ、手触り、温度を映像に描写するために、舞台上の物の配置を変更したり、身体の動きや物の移動を多角的に撮影するなど様々な試行錯誤がおこなわれている。このようにして撮影された膨大な量の映像素材を、被写体でもある白井自身が振付家としての冷徹な視線をもって、ひとつのビデオダンス作品へと構成。ダンス作品が持っていた、世界に身体を投げ出すような暴力性と、物を丁寧になぞるような繊細さをそのままに、ビデオダンスとして新たな地平を切り拓いている。
なお、完成したビデオダンス作品は特設ウェブサイトで公開されており、全編を視聴することができる。
- https://c-filmed.ycam.jp/