本作の舞台となるのは野外舞台の貴重な保存例である山口市・野田神社能舞台の境内。境内の奥にひっそりと佇む古池に沸く清めの水を、高谷史郎が設計した装置によって人工霧に変化させ、その霧をスクリーンとして古池に注ぐ太陽光を反射/照射させる。さらに風を受けて表情を様変わりさせる霧の動きをもとに、坂本龍一が手がけたサウンドを生成し、霧と光、そして音が融合した幻想的な世界が広がっていく。
伝統文化の歴史を今に伝える空間と、現代のテクノロジーよって生み出される表現を融合させたインスタレーション。
坂本龍一+高谷史郎
伝統文化の歴史を今に伝える空間と、現代のテクノロジーよって生み出される表現を融合させたインスタレーション。
本作の舞台となるのは野外舞台の貴重な保存例である山口市・野田神社能舞台の境内。境内の奥にひっそりと佇む古池に沸く清めの水を、高谷史郎が設計した装置によって人工霧に変化させ、その霧をスクリーンとして古池に注ぐ太陽光を反射/照射させる。さらに風を受けて表情を様変わりさせる霧の動きをもとに、坂本龍一が手がけたサウンドを生成し、霧と光、そして音が融合した幻想的な世界が広がっていく。
音楽家
1952年生まれ。1990年よりニューヨーク在住。78年にアルバム『千のナイフ』でデビュー、同年YMOに参加。YMO散開後、数々の映画音楽を手がけ、作曲家としてアカデミー賞を受賞するなど世界的な評価を得ながら常に革新的なサウンドを追求している。99年に制作したオペラ「LIFE」以降は、環境・平和・社会問題に言及することも多く、2001年に発生した同時多発テロをきっかけに、論考集「非戦」を監修。また同年、自然エネルギー利用促進を提唱するアーティスト団体「artists' power」を創始した。さらに、2006年には六ヶ所村核燃料再処理施設稼働反対を表明し「stop-rokkasho.org」を開始。07年7月には有限責任中間法人「more trees」の設立を発表し、温暖化防止についての啓蒙や植樹活動をおこなうなど活動は多岐に渡っている。また、06年には新たな音楽コミュニティの創出を目指し「commmons」を設立。09年には、国連環境計画が世界環境デーの一環として実施する「ECHO Festival」において、音楽活動の現場における積極的な環境配慮への取り組みに対して「Echo Award」を受賞。さらに同年7月にはフランス共和国文化省より芸術文化勲章オフィシエを受勲する。このほか10年には文化庁より芸術選奨文部科学大臣賞を授与されるなど、活動全般において世界各国で高い評価を受けている。11年に発生した東日本大震災に際しては、被災地復興支援プロジェクトとして「LIFE311 by more trees」、「kizunaworld.org」、「こどもの音楽再生基金」を立ち上げるなど、さまざまな活動を続けている。
アーティスト
1963年生まれ。1984年からアーティストグループ「ダムタイプ」の活動に参加。様々なメディアを用いたパフォーマンスやインスタレーション作品の制作に携わり、世界各地の劇場や美術館等で公演/展示を行う。1998年からダムタイプの活動と並行して個人の制作活動を開始。マルセイユ・フェスティバル、東京・新国立劇場、台北・國家兩廳院での公演や、ポンピドゥーセンター・メッス(フランス)、シャルジャ・ビエンナーレ(UAE)などでの作品展示、東京都写真美術館での個展等。また、中谷芙二子、野村萬斎、十五代樂吉左衞門らとのコラボレーション作品も多数。2021年6月、坂本龍一との新作公演「TIME」をオランダ・フェスティバルで世界初演。2022年ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展でダムタイプが日本代表作家として日本館で展示予定。
音楽:坂本龍一
総合演出:高谷史郎
テクニカル・マネージャー:岩田拓郎(YCAM)
プロダクション・マネージャー:クラレンス・ン(YCAM)
鏡制御:古舘 健
サウンド・プログラミング:濱 哲史(YCAM)センシング:伊藤隆之(YCAM)、山元史朗、大脇理智(YCAM)、今野恵菜(YCAM)
音響:西村悦子(YCAM)、伊藤隆之(YCAM)、濱 哲史(YCAM)
照明:高原文江(YCAM lnterLab)、池辺 茜、キム・ジウォン
テクニカルサポート:三浦陽平(YCAM)、山元史朗、平林 慎
広報:田中みゆき(YCAM)、澤田知美(YCAM)
ドキュメンテーション:丸尾隆一(YCAM)、渡邉朋也(YCAM)
デザイン:角田なおみ(YCAM)、百束ひとみ(YCAM)
スーパーバイズ:阿部一直(YCAM)
企画制作:竹下暁子(YCAM)、塩見直子(YCAM)