本作はジェームス・ジョージが開発したバーチャル3D映像フォーマット「RGB+Depth」で撮影、記録されている。このフォーマットではHD画質のカラー映像情報と、Microsoft社の開発したゲーム用インターフェースKinectの深度センサーから得られるポイントクラウドを組み合わせることで、三次元情報をもった映像表現が可能になる。
被写体の像はゆらめく線と点によって映像空間に立ち上がる。コンピュータによる純粋な演算処理でここにあらわされる被写体自身もまた、日常的にコンピュータを使用し自らのアイデアを具現化している存在である。いまや全世界的にひろがるデジタル空間において、プログラムコードに対する熱意と知識をシェアすることへの意欲を持った彼らのような存在は、創造性のネットワークを大きく拡張し、私たちが生きる実社会を形成している。