本作は、アンケートへの回答、40分間のブース内での実験、体験者同士による実験の共有といった3つの構成になっている。ブースには、ある超低周波帯域の不可聴音を発するスピーカーと、磁場を発するコイルが設置されており、「通常ではない環境」が人工的につくり出されている。こうした特殊な条件下における心理状況が、人々の宗教や哲学に対する個人的な背景と結びつくことで、経験の認識に影響しているかもしれないという仮説を検証し、それらを体験者と共有することで、不確かな存在が浮かびあがるプロセスを体験する。
「通常ではない環境」が人間の心理にもたらす影響について体験を通じて考察するためのインスタレーション。