2011年、アーティストでエンジニアであるジュリアン・オリバー、ゴーダン・サヴィシッチ、ダーニャ・バシリエフが「ザ・クリティカル・エンジニアリング・マニフェスト」を発表。この宣言を中心に、サラ・グラント、ベンクト・ショーレン、ジョアナ・モールが参加し「ザ・クリティカル・エンジニアリング・ワーキング・グループ」を結成。
「現代において私たちの考え方・話し方・生き方を形づくる上で、エンジニアリングこそが最も影響力のある言語だと考える」で始まるこの宣言は、「批評的なエンジニアリング」の規範について多くのことを示唆する。「アート、建築、アクティビズム、哲学、発明の歴史」と意識すべき射程を広範に設定し、テクノロジーを注視しながらその存在を常に多角的に検証していく、というその使命を述べている。
発表から10年以上が経過した現在、18ヶ国語に翻訳され、ハッカースペース、美術館、エンジニアリングやメディアアートの学校の壁やテキストに記載されているこの宣言は、今日ますます重要な意義を持っている。
メンバーによる代表作に、Packetbrücke(2012)、PRISM: The Beacon Frame(2014)、Deep Sweep(2015)、Vending Private Network(2018)、WannaScry!(2021)。
Newstweek(2011)でアルスエレクトロニカ・ゴールデンニカ、 Men In Grey(2009)で文化庁メディア芸術祭優秀賞、他受賞歴多数。ZKM、トランスメディアーレ、The Glass Room、MUTEK、The Chaos Computer Congress、テート・モダン、FILE、ヴェネチアビエンナーレなどその作品は世界中の美術館やフェスティバルで展示されてきた。
なお創作と並行して、ソフトウェア無線(Software Defined Radio)、ネットワーク/インフラエンジニアリング、バイオコンピューティングなどをテーマにした、一日から数日に及ぶ集中ワークショップを通じて、彼らの知識を多くの人にシェアしている。