1932年、京城(現在のソウル)生まれの韓国系アメリカ人の現代美術家。ビデオ・アートのパイオニアとして知られる。
1949年、朝鮮戦争の渦中を逃れるかたちで香港、日本へと居を移す。東京大学卒業後、現代音楽を学ぶべく渡独。ドイツにて、ジョーン・ケージに触発され、その後の、ジョージ・マチューナスとの出会いにより芸術運動フルクサスへと参加。1963年、ドイツのパルナス画廊で、初の個展『音楽の展覧会-エレクトロニック・テレビジョン』を開催。その中で、13台のテレビ受像機によるインスタレーションを展示。この作品は世界初のビデオ・アート展と位置づけられている。
パフォーマンスや映像作品を発表するほか、テレビを石庭の石に見立てたインスタレーション作品『TVガーデン』(1974)や『TV仏陀』(1975)など、テレビなどの映像技術と禅の世界観を融合させた作品を発表。世界中で同時発生するパフォーマンスを衛生中継にて配信するサテライト・アート『グッド・モーニング、ミスター・オーウェル』(1984)などでも知られる。2006年没。