1965年、フランクフルト近郊に生まれ、1985年からスイスのベルンで俳優の勉強をする。俳優として、ベルン、マインツ、ブレーマーハーフェン、ケムニッツなど、ドイツ語圏のさまざまな市立劇場で活動したあと、1997年、ケムニッツ市立劇場で初めての演出、フェルナンド・アラバル(Fernando Arrabal)作『建築家とアッシリア皇帝Der Architekt und der Kaiser von Assyrien』を発表したところ、その独特で精確な演出に他の劇場がすぐに注目し、以後、バーゼル、ライプツィヒ、フライブルクの著名な劇場での演出が続いた。2000年、タリーア劇場(ハンブルク)での『リリオムLiliom』とドレスデン劇場での『祭りDas Fest』の演出で高い評価をうけ、この二作は2001年、ドイツ語圏の年間最優秀演出作品を決める演劇祭、ベルリン・テアータートレッフェンに招聘された。同演劇祭へは、2003年にタリーア劇場での『恋愛三昧Liebelei』が、2005年には『ルル』(フランク・ヴェーデキント作)でも招聘されている。タールハイマーの演出は、現在、定期的にハンブルクのタリーア劇場とベルリンのドイツ座にて観ることができる。ドイツ座においては、2001年の『エミーリア・ガロッティ』がデビュー作となり、以降、『三人姉妹』(チェーホフ)、『寂しき人々』(ハウプトマン)、04年の『ファウスト 悲劇第一部』が続く。受賞歴としては、放送局〈3sat〉の革新的演出賞(『リリオム』)や、ベルリンのフリードリヒ・ルフト賞、そして有名なウィーンのネストロイ賞(ともに『エミーリア・ガロッティ』)がある。2005年1月、ベルリン国立オペラ座での『カーチャ・カバノヴァ』で成功裡にオペラ演出デビューを果たしたタールハイマーは、さらに、頻繁にザルツブルク・フェスティヴァルやウィーン祝祭週間、また他の国際フェスティヴァルに招聘され、ローマ、キエフ、ブダペスト、ベオグラード、プラハ、マドリード、メキシコシティー、ボゴタ(コロンビア)などで上演されている。『エミーリア・ガロッティ』はドイツ座にて現在でも非常に高い人気を博すレパートリー作品として、100回以上の上演を重ねており、客席は常に満席となっている。タールハイマーは現在ベルリンに在住、2005年夏からはドイツ座の主任演出家を務め、芸術監督の一人である。ドイツ座での最新作は『ファウスト 悲劇第二部』。