兵庫県伊丹市出身。イリノイ大学芸術学部ダンス科卒業後、90年代後半より日本での活動を開始。ダンサーの身体だけでなく、それを取り巻く場を重視する宮北のダンスは、座る、立つ、歩くといった人が空間と関わる最も基本的な動きをベースに、そこにある光・音・空気・風景を敏感にとらえながら、繊細かつ潔い動きを紡ぎだす。 山下残ダンス作品「It is written there」への出演や、Art Theater dB Kobe柿落とし公演、アルカディ・ザイデスのプロジェクト参加を経て、2010年に宮北裕美/ガラパゴス楽団を始動し、「i.i.の死」を上演。2011年からはサウンドアーティストの鈴木昭男とともに、修行と遊びの場を開拓する「空っぽ」プロジェクトを企画し、京都市内にて毎月『「空っぽ「ぽんぽこりん♪」」を開催している。この修行の成果が、文化庁メディア芸術祭京都展「tabio X dance」、京都市美術館「こころのかくれんぼう」などの即興パフォーマンス、2012年には自身初個展となるHiromi Miyakita Exhibition「S・P・A・N・K」へと繋がりダンス表現の射程をさらに広げつつある。 また身体と空間、ものや音との関係についての実験的な試みも多く、観客が自分の好きな音楽を聞きながら無音で踊る宮北のダンスを鑑賞した後に、トークセッションで十人十色の物の見方を互いに楽しむ「携帯音楽プレーヤーとダンス」や、頭に果物を載せて歩くという単純な行為から無為の身体を発見する「頭にものをのせる?」など、参加者にシンプルな発見と楽しみをもたらすワークショップを行っている。