オランダ出身のフランス・デ・ワードによるプロジェクト。当初、ロエル・メールコップ、ピーター・ドゥイメリンクスとの3人よるユニットとしてスタートしている。医療器具によるパルス信号を使用し、極度に機械的でグルーヴを徹底的に排除したミニマルテクノの奇形/進化型とも言うべきスタイルは1997年に noton/raster musicから発表されたファーストアルバム「STUD STIM」から01年にアメリカの12kから発表された傑作アルバム「ABRI」に至るまで通低している。
またフランス・デ・ワードはAudio.NL、staalplaat、Korm Plasticsといったヨーロッパにおける重要な電子音響レーベルの設立、運営に深く関わっており、世界中の電子音響作品についての批評、執筆も積極的に実践しサウンドアートの発展に深く貢献している。その活動の軌跡はヨーロッパにおけるエクトロアコースティック、ノイズ・エクスペリメンタルからサウンドのミニマリズムへという進化を体現しているものでGoemが活動を開始する96年以前は84年からノイズ・コンクレートプロジェクトであるKapotte Muziek(カポテ・ムジーク)を主宰し、オランダの音楽シーンにおいて常に絶大な影響力を誇っている。01年には初来日を果たし川崎市民ミュージアムでインスタレーション作品を発表、04年にはATAKからフルアルバム「ATAK005 goem」を発表し大きな話題を呼んだ。