FENは、これまでお互いにほとんど交流のなかった東京、北京、シンガポール、ソウルといった東アジアの大都市の実験音楽シーンの中で独立独歩の活動を続けるキーパーソンたちと大友良英によるあたらしい関係性を模索する越境型のユニット。08年にマルセイユの実験音楽祭「MIMI Festival」に招聘されたのを皮切りに、その後も欧州、アジア各国で数多くのコンサートを行ってきた。すでにある音楽の形態をつかうのではなく、あたらしいネットワークがつくられるとき、いったいどのような音楽が生まれるのか......という発想がFENの原動力と言ってよい。即興演奏でつくられるライヴも演奏毎にまったく異なるものになっている。今後、このプロジェクトをきっかけに、これまで交流の少なかったそれぞれの都市に住むミュージシャン同士のネットワークがどう発展するのか、何が生まれてくるのか、大きな期待を担っている。