1850年にベルリンの旧東ドイツ地区に建設され、ロココ式の豪華な中劇場(622席)と小劇場(カンマーシュピーレ・422席)の2つの舞台を持ち、質の高い舞台を提供することで定評がある。1905年に、演出家マックス・ラインハルトが劇場に参加して以降、ドイツ語圏の舞台の「最高峰」という名声を手にし、世界的に名を知られるようになる。マックス・ラインハルトは、亡命する直前の1933年まで、この劇場を率い、隣接する土地に近代的なカンマーシュピーレ(室内劇場)を建てて俳優たちを集めた。ナチ独裁の暗く困難な時代には、ときに「反抗的な舞台」としての名声を保ち続け、戦後になると、亡命していた多くの芸術家たちがドイツ座に新しい拠点を見出した。以降、ベンノ・ベッソン、アレクサンダー・ラング、ハイナー・ミュラーらを続々と輩出していく。1990年、ミュラー演出『ハムレット/マシーン』の初演も同劇場で行われた。1991年より、トーマス・ラングホフが芸術総監督を務め、1996年には「バラック」という若い演劇人のための小スペースをつくり、当時注目を集めていたトーマス・オースターマイヤーにその運営を任せた。「バラック」では、マーク・レイヴンヒル、サラ・ケイン、デイヴィッド・ハロワーなど、英国の現代戯曲に取り組み、ドイツの若手演劇人たちに大きな影響を与えた。1990年代に入り、2度に渡って"Theater des Jahres"(年間で最も優れた活動をした劇場に与えられる賞)に選ばれている。